2015年出版の本なので、出版時からは4年が経過していますが、
今読んでも納得感がある本なので、記録しておきたいと思います。
これから日本で起こること

サマリー
・政府の金融政策が資本家と労働者の格差をより一層拡大させてしまうこと。
・経済学者のいう「Jカーブ効果」は実態の労働・経営環境に即したものではないこと。
政府が金融緩和をし、円安を主導しても輸出が増えておらず、国内の物価は上がり、
実質賃金も下がる為、より一層格差が拡大していること。
これはアメリカ経済にも同様に行われてきたことで、
金融の量的緩和が富裕層のみに恩恵をもたらしたことを
模倣することにほかならない。
・安倍総理大臣はウォール街が大好きでのアメリカの真似をした金融政策をとっているが、その効果はない。
「物価上昇 → 経済成長 → 賃金上昇」 とはならない。
事実日本人の実質賃金は2013年から下がり続けている。
「経済成長(成長戦略) → 賃金上昇 → 物価上昇」であるべき。
雇用を生み出すような成長産業がなければ、当然に賃金は上がらない。
・アメリカや欧州は日本よりも過酷な格差が生まれている。
上位1%のみの投資家に恩恵を与える株高の戦略で、政権を維持している。
株主に還元するためには、人件費の削減(要するにクビ)・自社株買いを行い
1株当たりの利益と配当を重視している。日本よりも株主重視。
そういった意味では、日本の企業は株主よりも労働者の生活維持を重視している。
・原油安はアメリカの労働者にとってはメリット。生活コストが下がる。広大な土地を移動するには、車が必需品であるし、
あらゆる製造コストに原油安はメリットをもたらす。
また、安倍政権にとっても2013~2014年の原油安・資源安は悪いインフレの中での延命治療薬となった。
4年前の本だけれと、今の経済状況をとてもよく表していると思います。
企業業績は好調だが内部留保をかかえ、労働者への配分を行わないのと、
物価上昇による実質賃金の低下で
ますます労働者が苦しくなっていると私は感じます。資本家との格差が拡大しているのではないでしょうか。
この筆者の語り口や具体例はとても理解しやすいものでした。
他の著書も読んでみたいと思いました。
【Kindle版】
これから日本で起こること―雇用、賃金、消費はどうなるのか
【通常版】
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