先日お亡くなりになったアメリカの連邦最高裁判事Ruth Bader Ginsberg氏。私は彼女の訃報をニュースで聞き、その名前を初めて知ることになりました。SNSでの反響の大きさに興味を持ち、どんな人物かを知りたくなりました。
まず読んだのがこの児童書。多読の為に英語の児童書を読んでいるのですが、シンプルでわかりやすい。小難しい単語が使われることなく、英文のまますっと理解できます。私の英語のレベルにあっているのだと思います。
彼女の両親はユダヤ系移民でニューヨークブルックリンで生まれ育ちます。母の女子への自立への思い・教育の重要性を受け止めて法律家を目指します。しかし、当時のアメリカでは有名大学のロースクールは女性にとっては狭き門、就職先も女性だからという理由で、なかなか見つからず苦労したようです。その後の最高裁判事までの道も険しいものでした。
構造的な差別・・・。私も日本の会社で長く働いた経験があるので、それを実感していました。それを「しょうがないもの」「そういうもの」とどこか思考停止した部分があったのですが、あらためて「構造的な差別」が実在していた(今も実在している)と認識しました。
アメリカだからとか日本だからとかではなく…。
当時勤めていた会社は東証一部で今では「女性幹部社員比率〇%」「ダイバーシティ」等を対外アピールしてますが女性社員への昇格というものは一部のルートに乗った人だけに約束されていたようです。
私が当時の上司達に言われたのは…
「ごめんね。あなたは産休に入るから、今回は後輩を先に昇級させるね。」
「後輩は今期は残業を頑張っていたから、彼を先に昇級させた。」
産休前・復職後、時短で働く私にはどうにもしようがないものでした。こういう世界が存在していました。(おそらく今でも存在してると思われます。)
構造的な差別を悔しいと思いつつも社内で声を上げたり、言語化することも出来ず、もがいていたことをと思い出しました。彼女のことをもっと知りたくなり、アマゾンプライムビデオでも映画を2つ見ました。
・RBG最強の85歳
・ビリーブ未来への大逆転
彼女はとても穏やかで、決して怒りを表すことがなかったそうです。
「構造的な差別の存在自体に気付いていない人」を何も知らない幼稚園児ととらえて、話すことを心がけていたのだそうです。なるほど。
怒りはエネルギーを消耗する…、ときたま忘れそうになります。相手はこちらの言いたいことの、存在すら理解していないということを理解した上だから、怒ったりすることなく話せたのか、と納得しました。彼女のご存命の間に、もっといろいろなことを知りたかったなと思いました。ご冥福をお祈り致します。