書評

【レビュー】コロナショック後は大不況になる? ~アメリカ経済政策 スティーブン・s・コーエン、J・ブラッドフォード・デロング

コロナウィルスの感染が世界規模で拡大しており、今後の経済状況が非常に気になります。各国の疾病対策・経済対策を注視しています。

アメリカの経済政策

アメリカでは政策金利の大幅利下げ(なんとゼロ金利)経済政策220兆円規模が異例のスピードで決まりました。この決断の速さはさすがです。さらにGMに人工呼吸器を作らせたり、大きな催事会場等を臨時の感染者を隔離する施設に利用したりと、指導者の決断力は日本と比べ物になりません。

一方日本は・・・

これだけ多くの飲食店・中小企業・非正規労働者等が経営難・生活苦に陥ろうとしているのに、

支援策は15兆円規模という少なさ(3月時点で)。

支援策も「給付ではなく無利子の融資」、商品券(和牛商品券やお魚商品券)、旅行券などを検討しているとのことです。何か悪い夢でも見てるんでしょうか…?という政策。

あまりにも浮世離れしていて、日々驚き、失望しています。

このような中で、アメリカの経済史の本を読んだことを思い出しました。

なぜ、アメリカ経済が強いのか。大不況に陥るたびに、どのような政策を取って来たのか、そしてどう次のイノベーションが生まれ、発展してきたのかを知るのにとても優れた書籍です。

アメリカ経済政策入門 /スティーブン・s・コーエン、J・ブラッドフォード・デロング

アメリカ経済が何度も立て直されてきた理由を理解するのに非常に役に立ちました。

アメリカ経済のこれまでのパターンとは
成長 → 貿易不均衡による失速 → 経済再設計 → 新たな成長へ
の繰り返し

①Alexander Hamilton 時代

合衆国建国の父と言われるAlexander Hamilton
この時代には、工業製品の大量生産化に成功し農業から工業へと主産業が変化しました。
【主な政策】
・高関税により国内の工業を保護していた
・輸出拡大
この時代から既に、自国の産業を保護する為の政策が取られていました。

②Abraham LincolnからFranklin Delano Rooseveltまで

【主な政策】
・労働力の自由化 (奴隷制度撤廃)することにより、より各産業のイノベーションが生まれやすくなる
・各個人が自立することで経済活動が活発化する
・ニューディール政策、戦時下の政策により、大恐慌から復活したとされる

③Dwight David “Ike” Eisenhower時代

【主な政策】
・軍需産業を中心に様々なイノベーションが生まれる(原子力、通信技術、ジェット機、電子レンジ)
軍用での研究開発費から副次的に民間に転用できる技術が生まれた

④東アジア型モデル

【主な政策】
・高関税にて自国経済を保護する。自国経済の発展→ 輸出超過へ
・しかしドルに対して通貨安だと輸出超過になり、貿易不均衡を生む。通貨の切り下げ論がおこる

⑤金融の肥大化

・かつてアイゼンハワー時代までは金融のGDPに占める割合は3%程度であり、商業銀行と投資銀行も区別されていた。
商業銀行と投資銀行の垣根がなくされることで、取引量・手数料・利幅が増え金融業界は富んで行き、政治的な影響も大きくなる。
2010年ころまでには、金融のGDP比は8%を超えるまでになる。
アメリカ政府は何をしてきたか
・研究開発費の投資を惜しまない
・税制、規制を産業発展のために改正、緩和していく
・市場へも介入する (公共投資、金利の操作)
アメリカ経済はこうして何度も再設計され、新しいイノベーションを生み出し成長してきた。
バブルが作られる要因
・金利低下により、その資金が株式・不動産・新興国等へ流れる。 そして、一気に引き上げられてしまい、バブルがはじける。

大不況は来る、しかし復活する

どうでしょうか。今現実に起こっていることも、繰り返されていることだというのが
わかると思います。このコロナショックで大不況に陥るのはほぼ間違いないと私は推測しているのですが、ここにテクノロジーの更なる進歩が加わるので
医療技術や経済政策もより強固になると考えています。市場のボラティリティは高く、高リスクですが、長期的にはやはり「買い」だと考えています。

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ミライ
現在はフリーで教育サービスの支援をしています。 大学卒業後、日系企業に勤務。 事業部門から経営戦略・財務部門を経て退職、二人の子供の母親です。 学びについて情報発信しています。 オンライン英会話で日々スピーキング訓練中!  TOEIC900点目標 (2019年4月 810点) 中小企業診断士登録済み #カランメソッド #オンライン英会話